JTCO
NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
小木のたらい舟製作技術 | 民俗技術 カテゴリ

総数:121件

伝統文化

小木のたらい舟製作技術
伝統文化の分類 民俗技術
文化名 小木のたらい舟製作技術



小木のたらい舟製作技術《特徴》
「小木のたらい舟製作技術」とは、磯での漁や海藻採取などで使われてきた「たらい舟」を製作する技術の事です。

「たらい舟」の製作は、ほとんどの工程を一人の樽桶職人が製作します。そのため、水の浸入を防ぐため部材を密着させる「木殺し」といった技術や、杉の芯に近い面やアカタと呼ばれる面を水に接するように部材を配置するなど、桶樽の製作技術が随所に盛り込まれています。
「たらい舟」は、桶を半分に切って作成されることから地元では「ハンギリ」とも呼ばれ、長径約150cm、短径約130cm、高さ約50cmの木造舟です。かつて同様の舟は全国にみられていましたが、今日実際に使用され、かつ使用者の注文に応じて製作する職人がいるのは小木半島とその周辺地域のみとなっています。
基本的に櫂が1本、ガラス箱が1つ、アカ(海水)をかきだすアカビャクシが1つ、休憩用の腰掛けが1つずつを、「たらい舟」に乗せています。漁の道具は魚の種類によって異なりますが、計5本程を乗船させます。そのほか自分と同じ体重の『ズブイカリ』と呼ばれる石をロープで縛ったものを持っていきます。これは、舟の片側にのみ自分の体重がかかり、それによって舟が倒れるのを防ぐため、自分がいるところと反対側に乗せておくため石です。また、沖で魚やイカを釣るときに舟を固定させておくために使う石にもなります。

「たらい舟」の起源は諸説あり、明治の初めころ牛馬のエサを入れる飼い葉桶が海から流れそれを利用したとする説や能登地方から廻船によって伝えられたとする説、サカナ桶を改良して海に浮かべ使用したとする説などが残っていますが、定かではありません。
享和2年(1802年)に発生した小木地震により、半島の海岸線一帯が隆起し、これにより破澗(アブルマ)とよばれるV字形の海蝕台ができました。これにより小木は海苔の産地となり、複雑な海岸地形は磯漁の適地となりました。磯舟では入り込めない場所でも小回りがきいて出入りしやすい「たらい舟」であれば、より深く入り込み漁を行うことができたのです。
昭和20年頃は、味噌樽を中心に需要がまだ多くあり、佐渡には多くの桶樽職人が住んでいました。「たらい舟」は毎年、『輪替え』と称するタガ(真竹の組み帯)替えを行うというメンテナンスが必要でした。本業の仕事を終えた桶樽職人が、たらい舟の受注や輪替えのために小木半島の村々を回っていたといわれています。
しかし、プラスチック製品が出回るようになると桶樽の需要は減少してしまい、職人の仕事もなくなってしまうという事態が起きました。さらに、昭和60年代になると、FRP(繊維強化樹脂)加工という技術が急速に普及し、約200艘あった「たらい舟」のほぼ全てにこの加工が施されることとなりました。これにより、『輪替え』は不要のものとなり、平成10年には職人の数は、わずか2名となっていたのです。
このことを危惧した小木町(現佐渡市)では、平成13年に製作技術の伝承を目的とする『たらい舟職人養成講座』が開かれました。過去に「たらい舟」を作った経験を持つ小木町在住の本間勘次郎氏が講師を務め、最終的にはこの講義に参加した受講者5名がそれぞれ1艘ずつのたらい舟が完成しました。しかしながら、「たらい舟」の製作者は減少しているのが事実であり、過疎化や高齢化に伴い「たらい舟」を使って漁をする漁業者自体少なくなってきています。

環境にやさしく、昔ながらの手技の「たらい舟製作技術」の継承を続け、そのあり方を「たらい舟」を愛する地域の人々や職人と共にこれからも伝え、考えていくことが大切です。

[国指定重要無形民俗文化財]
提供: 佐渡市役所 世界遺産推進課文化財室 様


所在地 新潟県佐渡市小木地区
展示場&開催場所 【たらい舟漁の見学】
実際に「たらい舟」に乗って漁をしている様子を見学できます。(※ 漁は毎日行われていません。また、個人の方が生業として行われていることですので、ご迷惑をおかけしないようにご見学ください)
 地域 小木半島一円(佐渡市深浦から江積周辺)
 時期 主に4月~11月頃
問い合わせ先 佐渡市役所 世界遺産推進課文化財室
TEL 0259-63-3195
アクセス 小木港から車で約30分
観るポイント 伝統的な手法で手作りされた「たらい舟」に乗って、昔ながらの漁を行うその光景はまさに「伝統」そのもの。雄大な海と入り組んだ地形に添えられる「たらい舟」の姿に感動を覚えます。
伝統文化の
体験・一般参加
【矢島体験交流館】
「小木のたらい舟」の乗船体験が出来ます。
 営業期間 8:00~17:00
 体験期間 4月~10月(定休日/11月~3月)
 体験料金 大人(中学生以上)500円、小学生300円
 詳しくは … 0259-86-2992 までお問合せください。

【力屋観光汽船株式会社】
「小木のたらい舟」の乗船体験が出来ます。
 営業期間 8:20~17:00 (12月~3月中旬は9:00~16:00)
 体験期間 年通(定休日/年中無休)
 体験料金 大人(中学生以上)500円、4才~小学生300円
 詳しくは … 0259-86-3153 までお問合せください。



2017年秋色&新商品特集メルマガ会員募集郷土料理全国伝統工芸品フォトギャラリー掲載協力団体、企業一覧英語翻訳ボランティア募集歴史レポーターボランティア募集歌舞伎座木挽町広場催事出展者募集JTCO@Facebook