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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品岩手県

岩手県
工芸品の分類 木工品
工芸品名 岩谷堂箪笥

主要製造地域:岩手県




《特徴》
岩谷堂箪笥の意匠は永い年月を経て多くの職人たちの手によって研究・開発されてきました。

江戸時代後期の岩谷堂箪笥を現在の岩谷堂箪笥のデザインと比較すると質素な印象を受けます。
岩谷堂箪笥の種類は、三尺、三.五尺の整理箪笥を基本としていますが現在では、洋服・衣裳・整理箪笥の三点セット、茶箪笥、書棚、小箪笥、座卓など多くの箪笥が生産されています。

珍しい箪笥としては、階段にも利用されたという上面が段々になった階段箪笥。
船に積み込んで金庫の代わりを果たしたという頑丈な舟箪笥。
火事などの非常時に移動しやすいように車がついている車箪笥(車付箪笥)などその種類は多く、見るだけでも興味のそそられる箪笥があります。

また、岩谷堂箪笥の大きな特徴の一つは飾り金具にあります。
この金具には「手打彫り」のものと、南部鉄器金具のものと2種類あります。
一棹の箪笥に60~100個ほどの金具が飾られますが、鮮やかに浮き彫りされた絵模様は堅牢さはもちろん、岩谷堂箪笥としての格調を高めています。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 岩谷堂箪笥生産協同組合 様

素材 ケヤキ、クリ・キリ・スギ・ニレ・タモ・キハダ・セン・カツラ・ホオ・ガマズミ・漆・鉄
製法・工法 【1】 木取り
【2】 切り込み
【3】 前仕上げ・側仕上げ
【4】 引出組立
【5】 木地調整
【6】 木部着色
【7】 拭漆作業
【8】 下絵描き
【9】 鏨彫り(彫金)
【10】 打出し
歴史 岩谷堂家具の起源は平泉が栄えていた頃の康和年間(1100年代)、藤原清衡が平泉に居を移すまでの約30年間、豊田城を本拠地とし、産業奨励に力を注いだ時代にさかのぼると伝えられております。
もっとも当時は現在のような箪笥ではなく、長持のような大型の箱のようなものだったと考えられています。

その後、江戸時代の中期天明時代(1780年代)に岩谷堂城主、岩城村将が米だけに頼る経済から脱皮しようと、家臣の三品茂左右衛門に、箪笥の製作、塗装の研究、車付きの箪笥を作らせました。
その一方、喜兵衛、大吉の二人が鍛冶職となり、さらに文政年間(1820年代前後)には、徳兵衛という鍛冶職人が彫金金具を考案しました。
鍵のかかる堅牢な金具が用いられるのは、金庫の役目を果たすためでした。
最初は桐の模様が多かったようですが、次第に虎に竹、龍、花鳥など多くのデザインが開発されました。
これが原型となり、岩谷堂箪笥の技術が現代に引き継がれているのです。
江戸時代、伊達藩の政策により、特産の馬市が振興され多数の他国人が出入りし、他の産物同様岩谷堂箪笥の製作が盛んになりました。

明治になると箪笥もようやく一般家庭に広まってきました。
当時の箪笥はそれまでの箱型の長持や整理箪笥から棒桟箪笥に変わり、それとともに岩谷堂箪笥の需要も増大しました。
漆塗と飾り金具の美しい岩谷堂箪笥は大評判となり、北上川の下川原港から下って宮城県県北の登米地方に、さらに東北各地に岩谷堂箪笥が出荷されていきました。
明治7年には、538本が生産された記録があります。
大正の頃からは、重ね箪笥や、上開き箪笥などスタイルも洗練されたものが喜ばれるようになりました。
関連URL http://www.iwayado-tansu.jp/

◆展示場所
特産品プラザ らら・いわて
 〒020-0024岩手県盛岡市菜園1-3-6 農林会館1F
 TEL : 019-626-8178 / FAX : 019-654-1843
 営業時間 : 10:00~18:30
 定休日 : 毎月第2水曜日



盛岡手づくり村
 〒020-0055 岩手県盛岡市繋字尾入野64-102
 TEL : 019-689-2201 / FAX : 019-689-2212