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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品香川県

香川県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 丸亀うちわ

主要製造地域:香川県




《特徴》
「金毘羅・渋うちわ」は、「丸亀うちわ」のシンボルです。

他の産地のうちわとは異なり、生活財として「節が途中にある骨 … 強さ・しなやかさ」、「柿渋 … 防虫・耐久性」、「元々は漁で使われた網 … 廃棄物の再利用/強さ」が特徴です。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 香川県うちわ協同組合連合会 様

素材
製法・工法 ◆骨の製作

【1】 竹挽
竹を各種のうちわに適した長さ(平均40~45cm)に鋸で切断します。
切断したものを管と言います。

【2】 水かし
管を20~30本1束にし、3~4日水に漬けます。
竹質を柔らかくし、加工しやすくします。

【3】 木取り/ふしはだけ
竹挽きした管をうちわに適した一定の幅に割ります。
「ふしはだけ」では、さらに内側の節を削り取ります。

【4】 割/もみ
「切り込み機」で穂先より約10cmのところまで切り込みを入れます。
穂の数は35~45本もあるが、同じ間隔で裂いていきます。

【5】 穴あけ
穴あけ用の「きり」を使って、鎌(弓竹)を通す穴を節部分にあけます。

【6】 鎌削り/柄削り
小刀で柄を削り、うちわの種類によって、加工を施します。
柄の部分の仕上げに当たる工程です。

【7】 編み
弓竹を通した穂を糸で編む作業。
昔は子供も手伝っていたといいます。

【8】 付
編んだうちわの骨の弓竹に形をつけ、編みのいびつさを直しながら、左右対称になるように糸をとじつけます。

◆貼り工程

【9】 耳摘み
貼り立ての際、骨の不要の両端を摘み取ります。

【10】 紙断
絵入紙等を貼り立ての型に応じて型断ちをします。

【11】 貼立
うちわの骨の穂の部分に「のり」をつけ、地紙を貼りつけます。

【12】 あご切り
弓竹の下部の不要部分を除き取ります。

【12】 型切り
うちわの種類に応じて、満月、玉子型などに穂を仕上げます。
たたき鎌を当て、木づちでたたくため、「たたき」とも呼ばれる作業であります。

【13】 へり取り
うちわの周囲に「へり紙」と呼ばれる細長い紙を貼り、危なくないように仕上げていきます。

【14】 耳貼り/元貼り
両側の耳飾りを貼ります。
元飾りを貼ります。

【15】 筋入れ
仕上がったうちわの骨目をはっきりと表すために、しごいて骨節を立てます。
「機械びき」の他に、木の小枝を束ねて作った、昔ながらの道具によって筋入れをする「手筋びき」もあります。

【16】 名入れ印刷
注文に応じて、仕上がったうちわに「名前」を印刷することもあります。
歴史 ◆「丸亀うちわ」は寛永10年(1633年)に金毘羅大権現の別当、金光院住職宥睨(ゆうげん)*が考案した「渋うちわ」(男竹丸柄うちわ)、1780年代に丸亀藩の地場産業づくりとして奨励した「女竹丸柄うちわ」、1880年代に富屋町の卸問屋が「奈良うちわ」に範を採る「塩屋平柄うちわ」を基に、他のうちわ産地の要素が融合してできたのが、現在の「丸亀うちわ」です。
*宥光(ゆうこう)という説もあります。

◆丸亀の旅僧が、九州で一宿のお礼にうちわの製法を伝授したのが「熊本来民(くたみ)うちわ」の始まりと言われています。これが慶長5年(1600年)と言われていますから、丸亀うちわの技術は、江戸時代までに既に確立していたと考えられます。

◆丸亀では永く「うちわの竹骨」の製造を行って全国のうちわ産地に出荷していた歴史があるため、またこの地にうちわ職人が多く在住していたために各地の特色あるうちわを丸亀で製造する機会が多かったので、他の産地の要素が「本来の丸亀うちわ」に融合されるようになりました。そのため、現在では、丸亀でできる総合的な竹うちわを「丸亀うちわ」と呼んでいます。

◆「丸亀うちわ」は、江戸時代は「武士の内職」として、また明治以降は「丸亀の地場産業」として発達してきました。現在は、全国竹うちわ生産量の8~9割のシェアを占めています。
関連URL https://marugameuchiwa.jp/cooperative

◆展示場所
うちわの港ミュージアム
 〒763-0042 香川県丸亀市港町307番地15
 TEL : 0877-24-7055 / FAX : 0877-43-6966
 開館時間 : 9:00~17:00(入館は16:30まで)
 休館日 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、 年末年始(12月28日~1月4日)
 入館料 : 無料