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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品新潟県

新潟県
工芸品の分類 織物
工芸品名 塩沢織物

主要製造地域:新潟県




《特徴》
雪が育むのは旨い米や地酒だけでありません。南魚沼には「雪は縮の親といふべし」という言葉があります。これは江戸時代の文人・鈴木牧之が当時の越後の暮らしぶりを描いた名著「北越雪譜」に書かれています。

その昔、1年の半分近くを雪に覆われる地域であった南魚沼。常に2m、3mもの雪に囲まれているため、家の外に出るのも一苦労、もちろん農作業もできません。この地で生きる人々、女性たちは春がくるまでひたすら布を織り続けました。この地で織られる布はどんなベテランでも1日に15cmから20cm。蚊絣や十字絣など繊細な絣模様や亀甲など細やかさを主体としているからです。厳しい自然のなか女性たちが神経を指先に集中させて辛抱強く、根をつめてひと冬かけて1反を織り上げます。その布はけして派手さはないが着物に仕立てればその着心地の良さ、着るほどに味わいや風合いが増すことで知られています。1枚の着物が親から子へ、そして孫へと3代にわたって受け継がれるほど高品質の織物です。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]

提供:つむぎの里

素材
製法・工法 【越後上布】(重要無形文化財技術指定)
越後上布の歴史は古く、天平勝宝年間建立の奈良の正倉院に保存されている。「越布」。
1200年以前に塩沢地方で生産されていたと考えられている。
江戸時代後期の「北越雪譜」(鈴木牧之著)に雪国の生活とともに越後上布の生産活動が子細に記されている。
現在原料の芋麻(ちょま)の生産量が極めて少なく、技術後継者の高齢化により「幻の布」化が懸念されている。
[特徴]通気性に富み,さらりとした着味で夏物着尺としては最高級の麻織物である。

【塩沢紬】(産業経済大臣指定伝統的工芸品)
越後上布の技術を絹織物に取り入れたものが塩沢つむぎで1770年の頃に創られたものと伝えられています。
[特徴]立て糸に生糸、玉糸、横糸に真綿手紡糸を使用し、手くくり、手摺り込みによる絣糸を一本一本合わせながら織り上げ、その蚊絣と呼ばれる細かい模様や十字絣亀甲絣等の絣模様は独特の上品さと落ち着きをかもし出しています。

【本塩沢】(産業経済大臣指定伝統的工芸品)
従来 「塩沢お召」 の名でしたしまれておりました。
文献上明らかにその生産を指摘できる資料は1864年の「覚」の中に運上品として「絹縮・・」とあり撚糸を用いた”しぼ”のある絣織物が生産されていました。
特徴 生糸を使用し、横糸に強い撚りをかけ、織り上げ後湯もみによって撚糸が戻る力を利用して“しぼ”と呼ばれる地風が特徴の絹織物であり,さらりとした肌さわりと、いろいろな絣による模様が上品さと優雅さをだしています。

【夏塩沢】
麻織物の衰退からその技術を生かした絹織物による夏物が望まれ誕生したものです。
特徴 絣技術の精巧なこと。横糸に駒撚りという強撚糸を使用し透けている。シャリ感のある、涼感あふれる夏の織物である。
歴史 塩沢の織物の歴史は古く、凡そ今から1200年前(天平年間)越後で作られた麻の織物が奈良の正倉院に立派に保管されています。
私どもの塩沢地方にはこの古い織物の伝統技術が国の重要無形文化財として今日なお昔のままの作業工程を踏襲し存続されております。
機織は、丈余の雪の中で半年間婦女子に与えられた天職として全生命を之に掛け織布に専念して参りました。
その伝統技術は今に受け継がれ本塩沢・塩沢袖・夏塩沢・越後上布等数々の逸品が生み出されております。
その一反一反に手作りの真心と愛情のすべてをこめて塩沢の織物は作り出されてゆきます。
関連URL http://www.tsumugi-kan.jp/

◆展示場所
【つむぎの里】入場無料
新潟県南魚沼市目来(国道17号線)
TEL:(025)782-0019/FAX:(025)782-1024
(冬期12月~3月水曜定休)
営業時間:8:30~16:30
(冬期12月~3月9:00~16:30)



【塩沢つむぎ記念館】
新潟県南魚沼市塩沢1227-14
TEL:025-782-4888/FAX:025-782-1148