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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品青森県

青森県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 津軽びいどろ

主要製造地域:青森県




《特徴》
かつて北洋硝子では、紀元前一世紀ころから受け継がれてきた「宙吹き」の技法で、漁業用の浮き玉を作っていました。現在では、その技法を活かし「津軽びいどろ」として、色鮮やかな綺麗なガラスの美を創り上げています。

原料を溶融し灼熱の中で、どろどろに溶けたガラスを吹き棹(ざお)に巻き取り、息を吹き込んで膨らませます。上下左右にさおを振り、形を整え、熟練した職人たちの手によって、ひとつひとつガラスという素材に命が吹き込まれていきます。みちのくの豊かな自然に育まれた伸びやかで洗練された美しさを持つのが特徴です。その美しさは、海外でもアート作品として評価され、なかには熱心なコレクターがいるほど。

青森県から伝統工芸品の指定を受けた確かな技と、自由で個性的なデザイン。ガラス独特の色彩と、手づくりならではの柔らかであたたかみのある形は、日本ならではの四季の色にこだわり、色を様々に組み合わせる事で、移りゆく情景のように無限の表情を見せます。

[ 青森県指定伝統工芸品 ]
提供 : 北洋硝子 様

素材 珪砂(けいしゃ)、 ソーダ、石灰など
製法・工法 【津軽びいどろ 製法・技】

《色づくり》
津軽びいどろの大きな特徴である色ガラスは、様々な製法にあわせて原料の調合をします。
ガラス素地の着色には、金属や鉱物を混ぜて着色します。調合した原料を坩堝(るつぼ:溶解・灼熱するための耐火性容器)の中に入れ、約1,500度もの高温で一晩かけて溶融します。温度管理などが繊細な作業です。色ガラスフリット(粉末ガラス)はそうして溶融したガラスを細かく砕き、全て手づくりしています。

《宙吹き》
坩堝の中で溶けた約1,200度(成形温度)のガラスを、吹き棹の先端に巻取り、もう一方の端から息(ブロー)を吹き込んで膨らませながら形を整えていきます。成形炉で再加熱しながら
色ガラスや色ガラスのフリットを重ね、仕上げていきます。自由自在な成形が可能です。

《型吹き》
坩堝からガラスの素地を吹き棹に巻き取り、色等の加飾を行います。形を整えながら金型に入れ、吹き込んで成形します。

《スピン成型》
坩堝からガラスの素地を棹に巻き取り、加飾します。必要な分量のガラス素地を金型に入れ、金型を回転させます。遠心力を利用してガラスを金型に沿った形に仕上げます。

《オーナメント(飾り小物)成型》
坩堝からガラスの素地を棹に巻き取り、小さなガラスの塊の状態から、金箔や色ガラスを重ねていきます。成形炉で再加熱しながら箸やピンセットなどの道具を使い、形を整えていきます。
歴史 日本人の生活にガラスが浸透しはじめたのは16世紀以降と言われています。
種子島に漂着したポルトガル人によって、ヨーロッパ文化とともにガラス製品がもたらされたことがきっかけとなりました。

それ以来、日本各地で独自のガラス製品が発展。
そのひとつが、独自の色合いが特徴の「津軽びいどろ」です。ちなみに「びいどろ」は、「ガラス」を意味するポルトガル語の「vidro (ヴィードロ)」に由来します。
青森の地で作られはじめたのは昭和に入ってからで、そのルーツは浮き玉です。
浮き玉とは定置網の設置や漁船の係留などに使われていた漁業の道具。
これらから派生して花器や水盤、盃などが作られるようになりました。
関連URL http://www.tsugaruvidro.jp/

◆展示場所
北洋硝子株式会社
 〒038-0004 青森県青森市富田4-29-13
 TEL : 017-782-5183 / FAX : 017-782-4899
 営業時間 : 7:50 ~ 16:00
 定休日 : 土曜日不定休、日曜、祝日、年末年始、お盆、GW



◆イベント開催
北洋硝子株式会社
 工場見学が可能です。 (電話予約要)
 お問い合わせ先 : TEL : 017-782-5183 または フォーム画面 から