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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品福島県

福島県
工芸品の分類 その他繊維製品
工芸品名 須賀川絵幟

主要製造地域:福島県




《特徴》
男の子のすこやかな成長を願う端午の節句に、大空を舞う絵幟は、7世紀に中国から伝わりました。飛鳥時代は村のシンボルとして、奈良時代は戦の陣のシンボルとして使われていたと言われています。現在のように、鐘馗(しょうき:流行り病を防ぐ鬼神)様が描かれたのは江戸時代からです。一家の長となる男の子の誕生を祝うものとして地域に根づいていきました。

「須賀川絵幟」が生まれたのもこの時代です。須賀川出身の銅版画家・亜欧堂田善(あおうどう でんぜん:西洋画の技法を銅版画にいち早く取り入れた、斬新な作風で知られています)が、和紙や布地に鐘馗様を描き、庭先に立てたのがはじまりです。手描きで作られる絵幟の魅力は、何といっても1枚ごとに異なるところです。同じ下絵でも、描く人によって一つずつちがう鐘馗様が表現されます。

手描きによる独特な力強い線の動き、そして雨風にさられても、華やかな色合いが変わらないという特徴があります。現在は、伝統的な絵柄のほか、近代感覚を取り入れ、かざり用などに用いられる額や、室内用の絵幟なども作られており、注目を集めています。

[ 福島県指定伝統的工芸品 ]
提供 : 伝統工芸須賀川絵幟製作元 吉野屋 様

素材 和紙や布地、顔料など
製法・工法 【1】 下ごしらえ
本塗りの前の準備として下染め・下塗りします。
刷毛目が出ないように塗ること、そして勢いよく線を描くことなど、この「下ごしらえ」の段階がとても重要です。

【2】本塗
【1】の工程の後、絵ふでや、代々改良され続けてきた色とりどりの顔料を使って、本塗りしていきます。
歴史 須賀川絵のぼりは、今からおよそ230年前、時の白河藩主 松平定信公のお抱え絵師として有名な銅版画家 亜欧堂田善が、和紙や布地に鍾軌様を描き、端午の節句に男子の成長を祝って、庭先に立てたのが始まりです。
絵のぼりは、田善から弟子へと継承され、天保・慶應(けいおう)時代には近郷にその名が知られるようになり、吉野屋の絵のぼりが町の名物となりました。

その後、2代目から4代目と代々続きましたが、昭和36年頃より、関東地方の型刷り幟が出回り、当時、市内に7軒あった絵幟屋も次々と転業せざら得なくなり、吉野屋ただ一軒となってしまいます。そこで、色やデザインに近代感覚を盛り込んだ室内用(掛け軸型)絵幟を開発し、数々の表彰を受けます。

現在は6代目が手描き染めの伝統を受け継ぎながら、端午の節句ばかりでなく、記念品や室内装飾として用いられる額や室内用絵幟の開発に努めています。
また、歌舞伎や相撲など、伝統文化・工芸と呼ばれるものは、人々の生活にゆとりが出た時に生まれています。物や情報があふれる現代は、一見豊かなようですが、子ども社会にゆとりがあるとは思えません。次世代の子どもたちに伝統に親しむ心のゆとりを持ってもらうため、地域の誇りである須賀川絵幟を伝え、この文化・技術の魅力を発信し続けています。
関連URL http://www.enobori.com/

◆展示場所
伝統工芸須賀川絵幟製作元 吉野屋
 〒962-0836 福島県須賀川市並木町58
 TEL : 0248-75-4456 / FAX : 0248-75-4536



◆イベント開催
伝統工芸須賀川絵幟製作元 吉野屋
 10人以下であれば、須賀川絵幟の絵付け体険ができます。
 お問い合わせ先 TEL : 0248-75-4456 / FAX : 0248-75-4536