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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品石川県

石川県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 金沢箔

主要製造地域:石川県




《特徴》
金閣寺、日光東照宮をはじめ、漆工芸、仏壇仏具や織物など、さまざまな分野で美しい輝きを創造する金沢箔。金箔は全国生産の約98%以上、金沢箔が占めています。
しなやかで美しい光を放つ金沢の金箔は、美術工芸品などにも生かされ、加賀百万石の文化を支えてきました。

透かすと向こう側が見えるほど、一万分の1ミリの薄さになっても、金の輝きを失うことなく、均一の薄さ。製箔は金をただ叩いて延ばす単純な作業ではなく、それぞれの工程で熟練した高度な技を必要とされます。

昭和52年には、わが国の伝統的工芸品産業の用具材料部門において、初の通商産業大臣指定を受けました。
現在では仏具や美術工芸品などのほかに、インテリア用品など金沢箔の用途はさらに広がっています。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 石川県箔商工業協同組合 様

素材 純金、純銀、純銅
製法・工法 【1】 金合わせ
溶解炉で純金と純銀、純銅の合金をつくり、流し型に流して成型します。

【2】 延べ金
成型された金合金をロール圧延機にて、約100分の5~6mmの厚さまで圧延します。

【3】 コッペの引入れ
圧延された延金を、約6cm角裁断し、澄打紙に1枚ずつ挟み、袋革で包み、澄打機で打延ばします。

【4】 渡し仕事
次第に大きな澄打紙に移し変え(5回)、約21cm角、厚さ1,000分の1~2mmまで打ち延ばします。

【5】 澄切り
仕上がり澄を、約11もしくは12の小片に切り、仕込み終わった箔打紙に挟み、1,800枚を袋革に包み、パックを作ります。

【6】 打ち前(箔打ち)
袋革に包まれたパックを箔打機にて3分間打ち、15分間熱を冷ます作業を数十回繰り返して、厚さ10,000分の1まで打延ばします。

【7】 箔移し
打ち上がり箔を革板の上で、竹枠にて規格サイズに一枚一枚裁断し、間紙に挟んで箔が仕上がります。

【8】 箔押し
素材の各部分に、漆などの接着剤で一枚一枚丁寧に箔を貼り、華麗な箔製品に仕上げます。
歴史 金沢における箔打ちは、加賀藩祖・前田利家が文禄2年(1593)豊臣秀吉の朝鮮出兵に従って滞在していた肥前名護屋(現在の佐賀県)の陣中から、七尾で金箔を、金沢で銀箔を打つように命じたことから、16世紀末には行われていたことが明らかになっています。

以来、加賀藩の産業振興策としての美術工芸推励策に培われ、また、蓮如上人による浄土真宗の信仰の興隆による寺院の建立や、仏壇、仏具の必需性に育まれたことや、金沢が箔の製造に適した気候、気温であり、良い水質に恵まれているという風土的要因が、金沢箔産地を形成していきました。

◆展示場所
石川県箔商工業協同組合会館
 〒920-3122 石川県金沢市福久町ロ172
 TEL : 076‐257-5572 / FAX : 076‐257-5583
 開館時間 : 9:00~16:30
 閉館日 : 土曜、日曜、祝日、盆休、年末年始(12/28~1/4)