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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品東京都

東京都
工芸品の分類 染色品
工芸品名 江戸友禅

主要製造地域:東京都




《特徴》
江戸友禅は、東京手描友禅または東京友禅とも呼ばれます。友禅染めの技術は、1工程10年もの修行が必要と言われています。

江戸友禅は、江戸時代の町人文化の粋やわびの影響を受けており、職人の長い間の修練による技術や洗練されたセンスによって手描きで染め上げられていきます。

主なものに磯の松・釣り船・網干し・千鳥・葦などの風景文様があります。また、江戸城内の奥女中たちが好んだ模様は、武家好みの「御殿風」といい、京都の御所風のような有職文様や雅な御所車が配置されたものとは異なっていました。
のちに御殿風の文様は「江戸解き文様」として伝わります。

色彩の傾向としては、華麗な京友禅に対して、全体的に藍や白を効果的に用いて、さっぱりとした色使いに仕上げています。糊伏せした白場をそのまま生かす糊の白上がり技法と、紅色も控えめに、同じ赤でも洗い朱、さび朱の渋い色合いを使う傾向にあります。

江戸友禅は、その特色が生かされ、配色に冴えをみせる色留袖、付け下げに逸品が多いと言われています。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 日本橋染芸 寺澤森秋 様
左上画像 : 総手描友禅 打掛衣装
右下画像 : 結婚式 お色直し振袖

素材
製法・工法 【1】 仮縫い
仮縫いをします。

【2】 下絵
図案通りの模様を線描きします。

【3】 糸目糊
染料が模様の他の部分ににじむのを防ぐため、下絵に糊をおきます。

【4】 地入れ
糸目糊を生地になじませます。

【5】 色挿し
糸目糊の内側の模様に小さな刷毛や筆で染料液を色をさします。

【6】 蒸し
染料液・色糊を付けた生地を蒸気で蒸して染着させます。

【7】 糊伏せ
地色を染めるにあたり、その色に染めたくない所に防染のため糊をおきます。

【8】 地入れ
4と同じ工程です。

【9】 染め
生地の地染めをします。さまざまな筆を駆使し、高度の技術が必要となります。

【10】 蒸し
6と同じ工程です。

【11】 水洗い
蒸しのあとに、不要な糊を落とすための作業です。

【12】 幅出し
生地の幅を湯伸しで寸法通りに揃えます。

【13】 金仕上げ・顔料仕上げ
染め上がった模様の部分を、完成品にするため細かい部分を顔料で色挿ししたり、部分的に金銀箔などを固着させ、仕上げます。

【14】 刺繍
友禅に刺繍をしていきます。


《友禅の種類》

糸目糊友禅
糊で模様の輪郭に筒描きして防染し、色挿しするもの

無線友禅
筆を使い染料で直接生地に描く

ローケツ友禅
ローの材料を使い分け染め上げる
歴史 1800年代、江戸に文化の中心が移った文化文政時代、参勤交代で大名のお抱え絵師たちが江戸に移り住んだ頃から、江戸の模様染めが生まれました。

また、桂昌院(五大将軍徳川綱吉の母)に呼ばれた京都の友禅職人が、江戸の模様染めを考案したとも伝えられています。

東西の染めの違いは、美意識や生活感覚の違いによるものですが、それは模様や色彩の違いとして表れました。
関連URL http://tokyoyuzen.wixsite.com/terasawa

◆展示場所
日本橋染芸 寺澤森秋
 〒173-0032 東京都板橋区大谷口上町16-1
 TEL/FAX: 03-3972-0663
 ※こちらの2階でも展示しておりますので、見学が可能です。 



信州新町 サン・ギャラリー
 〒381-2423 長野県長野市信州新町日原西2138-1
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