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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品岐阜県

岐阜県
工芸品の分類 陶磁器
工芸品名 渋草焼

主要製造地域:岐阜県




《特徴》
渋草焼とは、一言で言うと、飛騨高山で江戸末期から続いている手造り、手描きの焼き物(陶器、磁器)です。

創業は1841年(天保12年)、当時の飛騨高山は江戸幕府の直轄地(天領)でした。
その時の高山陣屋飛騨群代「豊田藤之進」が、地元に新たな産業の発展を目指し、陶磁器の生産を御用商人にさせ、現在の陶房所在地『渋草』という地名の所に半官半民の陶磁器製造所を開窯させたのが始まりです。

開窯にあたっては、尾張瀬戸、加賀九谷という本場から職人を招き、(戸田柳造、小林伊兵衛、川上斉助、曽我竹山、富士造、周山、等)飛騨から出る磁土を原料に、陶磁器の製作から始まりました。

九谷、有田、京都、瀬戸、美濃、の手法を学び、現在も深みのある白い膚の「磁器」で独特な渋草調を生み出し、染付、赤絵、青磁、白磁等、製品は多岐にわたり、昔ながらの手造り手描きにより伝統技術を保持し、制作しております。

[ 岐阜県指定郷土工芸品 ]
提供 : 渋草焼窯元 芳国舎 様

素材 磁土
製法・工法 【1】 成形
ろくろ形成及び石膏型を使った鋳込成形で形を作ります。

【2】 削りと素焼
仕上げ削り、乾燥したものを約800℃で8時間、素焼します。

【3】 下絵付
素焼が終わったものに、呉須を使って下絵付をします。

【4】 釉薬
下絵付した作品に釉薬をかけます。

【5】 本焼
約1300℃で約22時間、本焼きをします。

【6】 上絵付
本焼きしたものに上絵具を使って上絵付を施していきます。

【7】 上絵焼成
約800℃(9時間)で上絵焼成をして、出来あがりです。
歴史 渋草焼は、現在も昔のままの建物の中で作業をしております。

その場所が「しぶくさ」という地名により渋草焼となりました。
高山は江戸幕府の直轄地(天領)でした。
天保12年(1841)その時の高山陣屋、飛騨郡代豊田藤之進が地元に新たな産業の発展を目ざし、陶磁器の製産を御用商人に計画させ、現在の陶房所在地「渋草」という地名のところに半官半民の陶磁器製造所を開窯させたのがはじまりです。

開窯にあたっては尾張瀬戸・加賀九谷という本場から職人を招き(戸田柳造・小林伊兵衛・川上斉助・曽我竹山・富士造・周山等)原料も地元の良質な陶石(渋草陶石)を探索発見して使用し飛騨九谷・飛騨赤絵と呼ばれる優れた作品を生み出しました。

幕末の混乱は天領である飛騨にも影響し渋草焼に対する陣屋からの援助もなくなりました。
戸田柳造の死後、明治11年に再興されるまで細々と経営されました。

明治11年、名家・事業家の三輪源次郎の呼びかけで同じく名家事業家の永田吉右衛門、平瀬市兵衛、阪田長五郎四名の組合組織で陶業を再興し社名を「陶甄社」(トウケンシャ)としました。

その後、明治12年、勝海舟、明治政府元勲後藤象二郎の命名により「芳国社」とし会社設立届けを知事宛に提出。
より良い作品を作る為に職工を京都や有田に勉強の為、派遣させ技術向上に努めたのです。

製品は代々職人の技で引き継がれ、作家名ではなく「芳国社(舎)」としてパリ万国博覧会をはじめ各国の万国博 日英博覧会・国内共進会等に出品し数多くの功績を残しております。
関連URL http://www.shibukusa.co.jp/

◆展示場所
飛騨高山の陶磁器・渋草焼【芳国舎】直営店
 (渋草焼の販売をしています。)
 〒506-0845 高山市上二之町63番地 
 TEL : 0577-34-0504