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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品香川県

香川県
工芸品の分類 木工品
工芸品名 一閑張

主要製造地域:香川県




《特徴》
一閑張とは、和紙と柿渋を何重にも重ねたものです。
日本の本渋引き一閑張の基本は、生地の上に和紙を貼り柿渋を塗ります。 また、一閑張には様々な長所と特徴があります。

・ 軽くて丈夫であり、熱湯がかかっても水で濡れても変化がないので安心である。
・ 手触りがよく、深い味わいがあって飽きがこない。
・ 汚れ、傷などが他の塗り物に比べて目立ちにくいので気軽に使える。
・ お掃除のときに水で濡れたり、濡れた布で拭いても大丈夫。 
・ 一閑張を使っていると、育ち・家柄・人間の歴史が偲ばれるような雰囲気をもっている。

[ 香川県指定伝統的工芸品 ]
提供 : 一閑張屋 宇野雄三 様

素材 竹、木、ガラス、陶器、プラスチックなど
製法・工法 【1】 生地の準備
竹、木、ガラス、陶器、プラスチックなどを準備します。

【2】 和紙の準備
生地により、質、サイズなど決めます。

【3】 和紙貼り
刃物を使わず和紙を裂き、蕨粉等をあわせた糊で貼ります。

【4】 柿渋塗り
和紙を張ったものを乾燥させ、十分乾燥したところで柿渋を塗ります。このとき気温は5℃以上29℃以下で作業します。さらに乾燥させたところで、夜露にあて夜干し湿度を与えます。この工程を5回以上繰り返し行います。

【5】 泥染め
石の粉を溶かしたものを塗り、乾燥、研出し、乾燥、色付けなどで調整し、上塗りの作業を20回以上繰り返します。
歴史 昔、生活用具は春・秋の市で購入していたため、壊れてもすぐに新しいものを購入できませんでした。
そこで、生まれたのが「本渋引き一閑張」という補修方法。壊れたかごに和紙を貼り、入手しやすかった防水効果のある柿渋を塗り補強して、また使う。
これが本渋引き一閑張のルーツです。

日常品の補修ですから、費用や手間は考えず、閑にまかせて行われていたため一つの閑に貼る「本渋引き一閑張」と書くそうです。従って600年以上の伝統があると言われています。