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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品三重県

三重県
工芸品の分類 文具
工芸品名 鈴鹿墨

主要製造地域:三重県




《特徴》
鈴鹿墨は、地理的、及び気候風土の諸条件に恵まれているため、作品創作時の墨の発色が良く、上品で深みがあり、基線とにじみが見事に調和します。

さらに現在の鈴鹿墨は、墨下りが大変なめらかで書道愛好家に幅広く使用されております。


[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定)]
提供 : 有限会社 進誠堂 様

素材 松煙又は菜種油、胡麻油若しくは椿油などの油煙から採取した煤、膠(牛膠、鹿膠)
製法・工法 墨づくりは、膠を変質させないために、温度・ 湿度の低い冬の早朝から、すべての工程が手作 業で行われています。

【1】 混合煤
と湯煎をした膠を混ぜ合わせ、香料を加えま す。その後、熟練された匠の手によって混合が 繰り返されます。

【2】 型入れ
練り上げた固まりを様々な形と大きさの型に入 れ形を整えていきます。

【3】 乾燥
灰の中で5~30日、空気中で2~6ヶ月乾燥 します。気温や湿度に大きく左右されるため、 経験と勘に裏付けされた判断が重要です。

【4】仕上げ
乾燥後は3年以上寝かされ、その後彩色をほど こし完成です。
歴史 鈴鹿墨の発祥は、延歴年間とも言われ、鈴鹿の山々に産した肥松(こえまつ)をたいて 煤(すす)を取りこれを原料として墨を作っていたと伝えられています。

江戸時代になり、徳川文化の隆盛は裃(かみしも)の流行と小紋の発遣を促し、元祖のころから諸大名の家紋の制定と掴まって、家紋を書く上で上質の筆墨を必要とし、寺子屋の発展とともに需要も激増また、紀州領土となると、紀州候から保護と厚遇を受けるようになりました。

鈴鹿墨は墨染め用又は紋書き用として、より精度の高い高級な墨をとの需要に答えて開発され、その後文房(ぶんぼう)としての用途が多くなり、 それまでに培った高度な技術力と高い品質を結集し、あまたの銘墨(めいぼく)を併せて作るようになりました。

そのため鈴鹿墨に高級墨(本筋物の原料を用いた純松煙墨、純油煙墨等の銘墨)が非常に多く見出されております。
また鈴鹿は製墨に必要な原材料の入手がたやすく、また弱アルカリ性水質により膠(にかわ)のゼリー強度(凝固力)、粘度(ねばり、どろつき)を最適の状態にできるなど、 地理的及び気候風土の諸条件に恵まれております。

作品創作時の発墨(はつぼく)が実によく、上品で厚みがあり、基線とにじみが見事に調和します。
また紋書の特儀(分子が細かく紙・絹への墨の定着度が高い)を発揮できるのも鈴鹿墨ならではのことです。
関連URL http://suzukazumi.co.jp/index.html

◆展示場所
有限会社 進誠堂
 墨の製造・販売を行っています。
 〒510-0254 三重県鈴鹿市寺家5-5-15
 TEL : 059-388-4053 / FAX : 059-386-4180



◆イベント開催
鈴鹿市伝統産業会館
 実演を行っています。
 〒510-0254 三重県鈴鹿市寺家3丁目10-1
 TEL& : FAX 059-386-7511
 開催日 : 第2日曜日、第4日曜日