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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品兵庫県

兵庫県
工芸品の分類 木工品
工芸品名 豊岡杞柳細工

主要製造地域:兵庫県




《特徴》
大雨の度に洪水が起きる円山川を象徴するコウノトリと豊岡杞柳細工は2000年の歴史を持つ地域の特産物です。

杞柳細工は何百もある柳の中のコリヤナギという学名を持つ自然木を使い、強靱でしなやかな風合いと柔らかさと粘りを活かしながら編み上げます。

城下町を形成した豊臣時代に産業として形を整え、江戸時代には藩が保護奨励し専売制度を確立して世に知られるようになり、昔はどこの家にも行李とバスケットがありました。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定)]
提供 : 兵庫県杞柳製品協同組合 様

素材 コリヤナギ・籐・マダケ・モウソウチク・麻・帆布・皮革
製法・工法 【1】 さし穂(新芽の状態)
活動を始める前の太い枝を30cm位に切り、3分の2を土の中にさすと根を出し芽が出ます。

【2】 栽培地
わき芽」が伸びないようにたえず気を付けて小さい間に取り除いてやることが大切です。

【3】 冬ごもり
刈取った枝条を束ね1ヶ所に集めて冬をこさせます。 仮さし 3月中・下旬に数本づつ湿地た挿し約1ヶ月間位おいて芽を出させます。

【4】 皮はぎ
4月下旬・5月上旬に仮挿した柳を金子箸という2本の叉になった鉄棒をとおして表皮を剥ぎます。

【5】 水洗い
剥離された白柳の樹液をきれいに洗いおとします。
天日乾燥 水洗いし、選別したものを天日乾燥します。

【6】 原材料
白柳(しろ)

一絡編(手提籠)
江戸時代から昭和初期まで多く作られてきた編み方です。
「立てり」となる材料を折り曲げて2本とし、短い方を中心にしてこれに皮籐の中央を中心の「立てり」に絡ませ一定の間隔を空けて回し籐に斜めにかけます。
次中の心籐と反対に斜に戻るので、編み籐は中央で交錯します。
そして向かう側に掛ける籐は表を上に出します。
戻る籐は裏が出ます。
一つ一つ絡ませながら編むため木型は使わずに編みます。

柳行李(縁掛)
柳行李は、古くから生地編と縁掛はそれぞれ地域を異にした別々の職人によって行われてきました。
縁掛には竹を取り付けた後、布や革をつけるものと竹をそのまま見せて適当な間隔で「とう巻」する合巻と竹をすべて「籐」や「柳とう」で巻く、総巻の技法があります。

兜編花籠
柳や籐の籠は材料の柳をつくる籠に応じて選び、作る物によっては材料を割り、引いてうすい柳籐にし、高級品をつくるためには幅ぎめをするなどして準備します。
製作は、まず底編みをし、これを木の割型に付けて、「たてり」をさし、つぎに立芯曲げ、縄編み、側編みをして、型抜きをし、ふち組をした後、これにふたや取っ手などをつけて仕上げます。
そのひとつひとつの編みには多くの技法があり、これを組み合わせていろいろな籠をつくりあげていきます。

豆バスケット
皇室でも採用されたバスケットです。
現皇太子が子供の頃愛用され「なるちゃんバッグ」と呼ばれ、多くの幼稚園で採用されました。
「大正バスケット」とも呼ばれ一世を風靡しました。
「合口」と呼ばれる蓋付き籠を代表する技法です。
歴史 柳行李やバスケットとしてみんなに親しまれてきた伝統の杞柳産業は、豊岡で生まれ、但馬の風土に育ち、かばんの町の基礎をきずいてきました。
平成4年(1992年)国の伝統的工芸品に指定されました。指定の名前は、「豊岡杞柳細工」と呼び「柳行李」「小行李」「柳・籐籠」の3部門があります。

「杞柳」とは言葉をたどっていくと「コリヤナギ」のことです。
江戸時代には「柳かう里」「骨柳」と書かれていましたが、大正6年(1917年)柳行李商豊岡同業組合は、柳行李・飯行李・行李かばんなど柳や籐を編んだ様々な製品を収録した「杞柳製品見本帳」を作りました。
そのころから「杞柳」という言葉が使われるようになりました。
関連URL https://web.pref.hyogo.lg.jp/ie07/ie07_000000024.html

◆展示場所
兵庫県杞柳製品協同組合
〒668-0801 兵庫県豊岡市赤石1362
TEL : 0796-23-3821 / FAX : 0796-24-0913