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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


都道府県

総数:400件

伝統工芸品長野県

長野県
工芸品の分類 漆器
工芸品名 木曽漆器

主要製造地域:長野県




《特徴》
木曽漆器の本場となっている旧楢川村(塩尻市)は木曽谷を貫く中山道(現・国道19号線)の北の入口に位置し、海抜およそ900メートルの高地にあります。
このため夏は涼しく冬は厳しく寒いという独特な気候は漆を塗る作業環境に良く、自然豊かな大森林は良材を育み、交通の面でも主要道路が通っているという風土と要路の二つの好環境に恵まれて400有余年という時間を費やして私たち先人が試行錯誤を経て輝かしい成果を残しそれを継承して今日に至っております。

[ 国指定伝統的工芸品(経済産業大臣指定) ]
提供 : 木曾漆器工業協同組合 様

素材 漆・木
製法・工法 ◆経済産業省認定技法◆
木曽堆朱
木曽漆器の代表的な技法です。
たっぷりと漆を含ませたタンポを使って「型置(模様づけ)」をします。
型置された凸凹のできた面に彩漆を何度も塗り重ねます(通常12回~18回)。
漆をたっぷりと使います。
表面が平になったら、水ペーパーと砥石で塗面を研磨し、木の年輪に似た独特の模様が表れます。

塗分呂色塗
砥石による錆研ぎを行い木曽地域では「ジヌリ・ナカヌリ」と呼ぶ独特の中塗りを施した後、多種の精製彩漆を用いて塗りわけ作業を行った後、コキ研ぎをして、上塗りをして乾燥後やわらかな木炭の粉末で磨き、さらに鹿の角の粉末に菜種油と砥の粉を混ぜて丹念に艶出しをして仕上げます。

木曽春慶
自然乾燥された原木(針葉樹)をへギ包丁などを使って柾目に裂いたヘギ板で木地をつくり、薄紅色の彩漆で色づけした後、生漆を何度も摺り込みます。
最後に透明度の高い春慶漆を塗って仕上げます。
木地のもつ柾目の美しさが際立ちます。

曲物
木曽ヒノキの柾目板を適当な厚さにミカン割りし、加工しやすくするため熱湯で煮て木地をやわらかくしてから円形や楕円形に曲げ、山桜(カンバ)の樹皮で縫い合わせます。
最後に底板をはめこんでから漆を塗って仕上げます。

◇その他の技法◇
摺漆
ケヤキや朴・栃・桜などの木地を十分磨き上げたあと目止めをし、木肌が透けて見える程度に数回生漆を塗っては拭きまたは塗っては拭きを繰り返して仕上げます。
下地塗りが省かれるため、木目の持つ素朴で温かな味わいが伝わってくる技法です。

沈金
艶やかな漆器に刻み込まれた金銀の模様。
沈金は室町時代に中国より伝わり発展した技法です。
漆塗りされた表面に沈金刀で絵や模様を浅くミゾ彫りし、生漆をつけて乾ききらないうちに金箔、金粉などを押し込んだ後、余分な部分を拭きとって仕上げます。

蒔絵
日本の漆工が世界を代表する芸術として高く評価されるまでになった理由のひとつは、蒔絵の描き出す優美で繊細な黄金の輝きにあると言われています。
漆で絵や模様を描き、その上に金粉や銀粉、顔料などを蒔いて仕上げる、最高級の技術が要求される技法です。

溜塗
下地工程が施された木地に中途の段階で朱漆や黄漆などの彩漆が塗られ、最後に透明な溜漆を塗りっぱなしした状態で仕上げます。
下の彩漆によって紅溜、黄溜などと呼ばれることもあります。

その他様々な技法があります。
歴史 木曽漆器が全国に名を馳せたのは、明治初期に地元から発見された「錆土(さびつち)」にあります。
この錆土は鉄分を多く含み堅牢な漆器を作ることができたからです。
それを常に良材があったことと職人の技も成熟期を向かえて丈夫で使い勝手のよい製品が作られたからです。

現在は、先人達が開発した木曽春慶と木曽堆朱、塗分呂色塗の三技法が経済産業省伝統工芸品に指定され多くの職人に受け継がれています。
さらにこれらの技法に留まらず様々な技法への兆戦がなされています。若い職人達を中心に様々な分野と現代生活様式に適合した新しい木曽漆器も生産されています。
関連URL http://kiso.shikkikumiai.com/main.html

◆展示場所
飯山市美術館/伝統産業会館
 〒380-2253 長野県飯山市大字飯山1436-1
 飯山市美術館 TEL : 0269-62-1501
 伝統産業会館 TEL : 0269-62-4019



木曾くらしの工芸館
 〒399-6302 長野県木曽郡楢川村平沢字長瀬2272-7
 TEL : 0264-34-3888 / FAX : 0264-34-2832

木曽漆器館
 〒399-6302 長野県木曽郡楢川村大字平沢2324-150(うるしの里公園内)
 TEL : 0264-34-1140