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NPO法人日本伝統文化振興機構は、日本の伝統文化の継承・創造・発展のための活動を行っております。
伝統工芸館 カテゴリ

総数:400件


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総数:400件

伝統工芸品長崎県

長崎県
工芸品の分類 その他工芸品
工芸品名 長崎べっ甲

主要製造地域:長崎県




《特徴》
南方の海域やカリブ海、インド洋の海域に生息しているウミガメの一種である玳瑁(タイマイ)の半透明と黒褐色のまだらがある甲羅と爪、そして腹甲とを巧みに加工、細工し、各種の装飾用具として作られたものをべっ甲(鼈甲)細工と呼んでいます。

中国ではこの玳瑁細工の工芸品が6世紀末頃にはすでに作られ、8世紀の唐時代になると盛んに制作されるようになったので、唐の朝廷は玳瑁や珠玉などを組み合わせて各種の工芸品を作るのは贅沢品であるとして、しばしば禁令が下されています。
このように玳瑁は古代より貴重品として取り扱われていました。

[ 長崎県指定伝統的工芸品 ]
提供 : 社団法人 日本べっ甲協会 (特徴) 様、江崎べっ甲店 (写真、製法、歴史) 様

素材 玳瑁
製法・工法 【1】 デザイン
べっ甲をつくるには、まず図を描くことから始まります。
原料が天然素材であるだけに製造上いろいろな制約があります。
その中で作者はよいアイデアを生みその経験を生かします。

【2】 生地えらび
製品に見合う甲羅(こうら)を選び地型(型紙)を当てます。

【3】 切りまわし
型どおり糸鋸(いとのこ)で切ります。

【4】 きさぎ
表面を削り滑らかにします。

【5】 火ばし
万力を打つ前に火ばしで仮付けします。

【6】 万力
水と熱の圧縮により一定の厚みの生地を作ります(接着剤は使いません)。

【7】 押しごて
加工した甲羅(こうら)を熱した鏝(こて)で木型に貼ります(甲羅と木型の間に卵白を使用して接着します)。

【8】 彫刻
図案に従って彫刻します。

【9】 みがき
磨きをかけます(独特のやわらかな光沢がでます)。

【10】 組立て
全体の調和を取りながら組み立てます。

【11】 宝船完成
歴史 べっ甲はもともと中国の技術であり、わが国におけるべっ甲製作の歴史は約300年です。

江戸幕府の鎖国によって、オランダ人と中国人による長崎一港での貿易となった為べっ甲原料を容易に入手できた長崎においてべっ甲細工は発達し京都・東京へと流行しました。
関連URL http://www.bekko.or.jp/index.html

◆展示場所
長崎市べっ甲工芸館
 〒850-0921 長崎県長崎市松が技町4番33号
 TEL : 095-827-4331
 開館 : 9:00~17:00、12月29日~1月3日休館
 料金 : 一般 100円、小・中50円



江崎べっ甲店
 〒850-0874 長崎県長崎市魚の町7-13
 TEL : 095-821-0328 / FAX : 095-827-1178
 開館 : 9:00 ~17:00、年中無休